フェア




誰にでも等しく笑いかけるあいつはオレを酷く傷つける。

それなのに俺に対する振る舞いは何とも素っ気無くて冷たく接してくる。
そんな事でも傷ついてしまうこの頃。
自分でも矛盾していると分かっている。
でもこの想いは止まらない。
きっと俺はあいつに誰よりも大きく、誰よりも優しく、俺だけに笑いかけて欲しいんだ。
この世には何一つ公平なことなんて無いんだから。


「サクラちゃーん♪ 今日さ、今日さ、この後ヒマ?」
「そうねぇ、大した事は無いけど。それがどうしたの?」
「今日は月に一度の一楽デーなんだってばよ! サクラちゃんも一緒に行かないかってば。」
そんなふうに俺には誘った試しが無いあいつの顔は笑顔だった。
「ふーん、偶には一楽でゴハンってのもいいわね。あ、そーだ。」
サクラはそう言って俺に近づいてきた。
「サスケ君も一緒にどう?」
可愛く見せようと上目づかいで誘ってきた。
アイツはと言うとはっきり言って嫌そうな目で俺を見ていた。
大体の予想はついていたが、やはり正直に言って辛い。
「俺は用が有る。お前らに付き合っている暇は無い。」
本当はこの後何も予定は無く珍しく暇なのだが、強がって下らない嘘をついた。
あいつは俺が嫌いなんだ。
あまり失敗した事が無い俺を酷く憎んでいるんだ。
あいつもきっと自分は俺に嫌われていると思っている。
本当はそんなこと思って無いのに。
本当はこんなにもお前に笑って欲しいだけなのに。
「サクラちゃん、やっぱりオレってばいいよ、行かない。誘っといてゴメンってばよ。」
そう言い放つとあいつは回れ右して走って行ってしまった。
こんなに嫌われているのにどうして俺はあいつの事が気になって仕方ないのだろう。
俺の頭はあいつの事でいっぱいだ。


次の日の任務は泊まり込みで老人の農園の手伝いだ。
骨の無い仕事はつくづくやる気が出ないが、今回は少しだけ違っていた。
「んー、今回の任務は昨日言った通りこのお爺ちゃんの農園の手伝いね。結構広くて大変だから二人一組でやってもらうから。
まず俺とサクラで一組、それとナルトとサスケ、これで一組。ちゃんと協力してするよーに。」
カカシの言ったことにナルトは反発し始めた
「なんでこのゆーしゅーなオレがサスケと組まなきゃいけないんだってばよ!!」
「そうよ!なんでナルトがサスケ君と一緒なのよ! サスケ君がもっと疲れちゃうじゃない。」
「サクラちゃん、それってオレが足手纏いだってこと?」
「他に何があるって言うのよ。」
「はー これはね、最近二人の仲が悪すぎるでしょ、だからこれでしっかりチームワークをとってもらわないと他の任務に影響が出るからだよ。」
ナルトは頬を膨らませていた。俺はというとあいつと逆で嬉しかった。あいつと二人きりで任務なんてあまりなかったし、
それに 少しだけあいつに近づける。それだけで俺は十分だ。 でも 俺の口から出る言葉は思っていることと矛盾していた。
「足引っ張ってくれるなよウスラトンカチ。こっちだって組みたくて組んでる訳じゃねーんだ。」
この言葉がナルトの感に触ったらしく、酷くキレながらも任務は始まった。







初小説 しかも続くし 以前ブログに載っけてたものです
何話続くか正直言って分かりません
まぁ優しい目で見てやっていただけたら嬉しいかぎりです