オーラ改善計画

オーラ改善計画




 ある日、ふと一言後藤さんが言いました。

 「オレってさぁ、ミュージシャン的オーラ無いのかな・・・。」

 そこにすかさず喜多さんが言いました。

 「あー、そうかもね。多分初対面な人はきっとゴッチの第一印象が『この人ホントにミュージシャン?』かもね。」

 その言葉に自分の心をデストロイされてしまった後藤さんは言いました。

 「な、ケンちゃんオレの事そんなふうに見てたの?!ちょっと傷ついた・・・。」

 喜多さんはもう一押し。

 「だってさー、ゴッチ夏フェスとか人ごみ多いところに行っても誰も気付かなかったんだよ。それって逆に凄いよね。」

 喜多さんは褒めたつもり。でも後藤さんには冷たい一言に聞こえました。

 「なな、んー確かにそれは凄いかもしれないけど・・・でも逆に悲しかったんだよオレ。」

 後藤さんは自分の体験談を続けました。

 「オレさ、この前蕎麦屋に行ったんだよ。そこはかなり混んでてさ、店員さんがオレに「相席でもいいですか?」
  って聞いてきたんだよ。それで「はい。」って言ったんだけど、相席になった人と全く話さなかったんだよ。
  しかもそのまま相席の人帰っていって、その後もお店混んでたのに誰もオレと相席してくれなかったんだよ。
  凄く寂しかったなぁ・・・。」

 その話に喜多さんは感想を言いました。

 「だってゴッチ、ミュージシャン的オーラ感じないもん。」

 喜多さんは酷い人だと思った後藤さん。でも他のメンバーが居なかったので仕方なく相談しました。

 「じゃあさ、どうすればミュージシャン的オーラって出ると思う?」

 喜多さんは言いました。

 「んーそうだね、趣味とか変えてみたら?ゴッチオッサンじゃん。エロエロだし。」

 喜多さんの容赦ない言葉を真に受けた後藤さんは肩を落としながらそれに従うことにしました。

 「ど、どうすればいいのでしょうか・・・。」

 悲しすぎて敬語になってしまった後藤さんはもっと詳しく喜多さんに相談しました。

 「ミュージシャンてやっぱり人並み以上な凄いことしてそーじゃん、だからゴッチもそれにあやかってみたら?」

 後藤さんは考えてみました。
 
 「そうだね、んー例えばどんなだろう。サーフィンとかかな。」
 
 喜多さんは一言。

 「なんか在り来たりな感じするな、キ○タクみたい。ゴッチそんなに背高くないから逆に駄目だと思う。」

 後藤さんは喜多さんは厳しい人だと思い知らされながら考え直してみました。

 「じゃあ何が良いの?」

 後藤さんは少しキレ気味です。でもそんな事はお構いなしな喜多さん。

 「んー、陶芸とか?」

 後藤さんはその一言に賛成しませんでした。

 「それは、嫌だな。なんかおじさんみたい。」

 「現におじさんだからあんまり気にしなくて良いよ。」

 全く話が進んでいない所に伊地知さんが来ました。

 「あ、何してんの。なんか面白そう。」

 後藤さんにとっては何も面白くありませんが、喜多さんはそこそこ楽しんでます。

 「今ね、ゴッチのオーラ改善してんの。なんかミュージシャン的な感じになりたいんだって。」

 伊地知さんは言いました。

 「ふーん、そうだね。ゴッチにオーラ感じないもんね、いい機会だしオレも考えるー。」

 後藤さんは恐怖な反面頼もしさもありました。伊地知さんならどうにかしてくれるかも。

 「んー、なんだろ・・・。あ、分かった。ゴッチに足りないもの。」

 伊地知さんの言葉に期待を膨らます後藤さん。

 「それは・・・、服装じゃない?」

 喜多さんは少々納得した模様。でも後藤さんはあまり納得してらっしゃらない様子。

 「もうこの際だから今流行りの『ちょいワルおやじ』にしてみたらいいんじゃない。」

 後藤さんには『オヤジ』のレッテルが貼られている様です。

 「あーそれいい!もうそれしかないねきっと!」

 妙に納得しまくりな喜多さん。そしてどうにもこうにも納得いかない後藤さん。

 「よーし、そうと決まれば早速着替えよう!」

 と伊地知さん。

 「さんせーい。」

 と喜多さん。
 そこへ山田さんが来ました。

 「何してるの?てゆーかゴッチになんか変なオーラが感じるんだけど・・・。」

 その言葉を聞いた喜多さんと伊地知さんは顔を見合わせました。
 そして二人は後藤さんの肩をポンと叩き一言。

 「よかったねゴッチ!そんなとこしなくても十分オーラ感じるんだって。」

 「うん、よかったよかった。もうオーラについて心配する事ないんだよ。」

 その言葉を聞いて後藤さんは一言。

 「このオーラはオレが求めていたものじゃないんだぁぁぁ!!」

 そして後藤さんは逃げ出しました。
 喜多さんと伊地知さんを残して。

 「うーん何処行ったんだろゴッチ。」

 「あー分かった。ちょいワルおやじな服持ってないから買いに言ったんだ!」

 「そういうことか!ならもっと分かり易く言ってくれればいいのに。」

 そう言って二人は部屋を出て行きました。
 山田さんを残して。

 「三人とも何処に言ったんだろ。なんかあんまり出番なかったな・・・。」










 *後書*
 すまん。としか言い様がないです。
 四人がどんなキャラなのか分からなかったです正直。
 ヤマちゃんすまん出番無くて。
 生温かい目で見てくれたら嬉しいです。
 リクエスト有り難う音々ちゃん!
 そして期待に添えられなくてごめんなさい音々ちゃん!!
 この作品は音々様のみお持ち帰り可能です。