フェア




始めは草取りだった。今まで色んな所の草を取って来たが、こんなに広いのは初めてだ。
  これを一人でやっていた老人はかなりの時間がかかっていただろう。兎に角手分けしてする事を提案したが
、 まだまだキレているあいつは俺の言うこと一つひとつが嫌らしく勝手に取り掛かり始めていた。
出出しからこんな調子ではチームワークも有ったもんじゃない。仕方なく俺も草を取ることに専念した。
手は草を毟っていても頭の中はナルトの事、俺がキレさせてしまった事、
如何したら良いかなんて此の儘考えていたら止め処なく続いてしまいそうな位考えていた。
偶にあいつを見るととても熱心に毟っている姿があった。 本当はもっと協力して任務をするべきなのだろうが、
どう声をかけていいのか分からずにただ手を動かす事しか出来なかった。
予想道理、日暮れまでかけて草取りを終えた。
「サスケくーん♪ お疲れ様、ナルトもね。」
「んー 君たち草取り位で時間かけ過ぎ。やっぱり協力出来なかったのね・・・」
そんな言葉も耳に入らずスタスタと風呂場に足を運んだ。
こんな調子では近づく事も出来ずにこの任務は終るんだ。俺はあいつと馴れ合うことすら無理なのだ。
折角の二人一組も何の意味も成さないんだ。
そんな想いを胸に仕舞い込み、さっさと服を脱ぎ捨て風呂に入った。
元は小さな旅館だったらしく、7・8人は入る広さの風呂に一人浸かって明日の予定の事を考えていた。
その時、ガラガラと少し耳障りな音を立てながら誰かが入浴場に入ってきた。
一人で満喫したかったバスタイムを邪魔され、少し機嫌を損ねた。入ってきたのは上司とあまり考えたくなかったあいつだった。
「うはー、結構広いってばよ!」
「こらこら、あんまりはしゃがない。」
そんな言葉も多分あいつの耳に入っていないだろう。俺が先に入っていることを知らないらしく、
バシャバシャと音を立てながら俺が隠れている所まで泳ぎだした。
あいつから逃げたかったのだろう、俺は咄嗟にあまり目に入りにくい岩の裏に隠れた。
もう直ぐにあいつが居る、ヤバイ、此処に居ることがばれてしまう!少しずつナルトから遠退こうと動き出したその瞬間
「あれ、サスケじゃないか。こんな所でなーにしてんの。」
カカシに見つかってしまった。
俺はナルトの事ですぐに頭が一杯になってしまったので、カカシの存在をすっかり忘れていた。
「なっ、なんでサスケがこんな所に居るんだってばよ!?」
「てゆーか、なんでナルトから逃げようとしたの。」
質問攻めに合いながらこんな行動をとってしまった自分に呆れ果てる。
「別にそんなつもりは無かった。こいつが騒々しいからこんなふうになってんだよ。」
もう駄目だ、此処には居られない。そう思い一人脱衣所に向かった。
結局何処も洗えずに上がってしまい、とてつもなく後悔した。また後で入ろう。そう心に決めて食堂に向かった。
また思い出してしまった。あいつのこと、多分またあいつを傷つけた。俺はあいつに何をしたら良いのやら、
このまま何処かへ消えてしまったらいいのだろうか。
もうこの気持ちに気づいてしまった今、どんどん想いは加速していくばかりだ。







サスケ君乙女チックになってきました(苦笑)
まだ続くんだなぁコレ
早く片付けてしまわないと